先日、友人の子ども(4歳)と遊んでいたときのこと。
その子は幼稚園で習ったばかりの信号の意味について私に教えてくれました。
「赤は止まれだよー」「黄色は注意してー」「青は進んでいいよー」
覚えたての知識を言いたくてしょうがない幼稚園児がかわいくて、「すごいねー、よく知ってるねー」なんて褒めてあげたわけです。
ですが、これを聞いたとき、とても違和感があったんですよね。
黄色信号の意味って止まれじゃありませんでした?
信号の黄色の意味
信号の黄色の意味については道路交通法施行令に記載がありました。
(信号の意味等)
第二条 黄色の灯火一 歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、すみやかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。
二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。
一に「歩行者は」との記載がありますが、歩行者用信号に黄色はなく、歩行者用信号機の青色の点滅が黄色に相当します。
道路交通法施行令によると、基本的に黄色(もしくは歩行者用信号の青の点滅)は「横断し始めてはいけない」つまりは「止まれ」となります。
歩行者が渡っているときに点滅しだしたら?
信号が青で、横断歩道を渡っている最中に信号が点滅しだすときがあります。
「この場合もその場で止まればいいの?」
そんなことはありません。その場合はすみやかに渡るか引き返すかしなくてはいけません。
車で走っていて黄色になったら急ブレーキしてでも止まるの?
車両の場合、信号が黄色になったとき、車両が安全に停止線で止まることができないときは横断してもいいことになっています。黄色になったからといって急ブレーキかけられたら後続車両が危ないですからね。
ですが、あくまでも黄色は横断し始めてはいけないという意識を持っておくことが大切です。
自分の記憶と周りに人の認識
私も小さいころ「黄色は注意」と教わった記憶があります。
ですので教習所で「黄色は止まれ」「安全に止まれないときは進んでもいい」ということを教わったときに驚いたことをよく覚えています。つまり、以前は「黄色は注意」だと思っていたのに実は違っていたという驚きです。
衝撃的なことはよく覚えているもので、これ以降、信号の黄色が止まれだということはしっかりと覚えています。
「黄色=止まれ」は自分の中ではけっこうな驚きだったため、周りのひと数名にも「信号の黄色ってどんな意味?」と聞いてみたことがあります。
すると、止まれだと答える人はあまりいませんでした。「注意して」だとか「赤になるよ」とか、急いで渡れ的な考えの人が多かったのです。
これは運転していても分かりますが、「いまの黄色止まれただろ」と思われるタイミングで突っ込んでいく車が結構います。
止まれだと知っていての行動なのか、本当に知らないかは分かりませんが、黄色は突っ込め!の人がいるのは確かです。
信号は交通ルールの基本
- 信号の黄色(歩行者信号の点滅)は止まれ
道路の横断をし始めてはいけない - 横断中の場合、歩行者はすみやかに渡り切るか、引き返すかすること
- 黄色になったとき車両が安全に停止線で止まれない場合は横断してもいい
信号は交通ルールの中でも基本的な部分だと思います。
だからこそ、幼稚園児でも教わるんでしょう。
にもかかわらず、信号の意味すら知らない、もしくは都合よく解釈する人がいます。
信号のルールについては車やバイクなどを運転する人はいま一度勉強しておいたほうがいいと思います。信号を間違えて理解していると大事故に直結しますから。
運転して黄色で止まると、たまに同乗者から「いまの行けてたでしょ」と言われることがあります。いや、「黄色だったでしょ、黄色は止まれだから!」と。こういう間違った認識で、同乗者が運転している人を焦らせるのも止めて欲しいものです。
話を冒頭の幼稚園児に戻します。
幼稚園で「黄色は注意して」と教えていることについて、自分で少し考えました。もしかしたら、幼稚園児的にはこれでいいのかもしれません。
幼稚園児は運転はしません。歩行者にしかなれません。そんな歩行者である幼稚園児にとっては、黄色は注意で間違いではないのかもしれません。つまり、歩行者目線で黄色のときは車が侵入してくることを注意するという意味で。その代わり、歩行者信号の青の点滅については、「止まれ」「横断中ならすみやかに渡るか引き返すか」というのを教えてあげて欲しいです。
とはいうものの、私には幼稚園児の理解力がどの程度あるのかわからないので、どうするのが一番いいのかは分かりません。ただ言えるのは、大人は信号の黄色の意味くらい知っていましょうよということだけです。