韮山反射炉は静岡県伊豆の国市にあるユネスコの世界遺産にも登録された場所です。
反射炉?何それ。
見る価値あるの?
そう思う人も多いかもしれません。
ここでは韮山反射炉とは何か。アクセス方法や見学について紹介します。
韮山反射炉とは何か
反射炉と聞いてあなたはどんなものを思い浮かべるでしょうか。陽の光を反射して何かするのでは?とか思いませんか?
実際は違います。反射炉とは簡単に言うと鉄を作るための炉です。
炉がドーム状になっており、これにより炎や熱を反射させて高温にする仕組みになっています。陽の光を反射するのではありません。
1840年のアヘン戦争に危機感を覚え、韮山代官江川英龍は鉄砲や大砲などの生産を目指しました。その後の黒船来航により江戸幕府直営の反射炉として築造が決定。1857年に完成しました。
実際に韮山反射炉での大砲が製造されたそうです。
ユネスコ世界遺産に登録
2015年、韮山反射炉は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」としてユネスコの世界遺産に登録されました。
この世界遺産登録は韮山反射炉だけでなく、反射炉としては萩反射炉、通称「軍艦島」の端島炭坑など明治時代の日本の産業革命を代表する場所がセットで登録されています。
建設当初は鉄骨はなかった
反射炉は鉄骨で補強されていますが、こちらは建設当初はありませんでした。
明治41年(1908年)から42年(1909年)にかけて実施された保存修理により設置されたそうです。
これにより関東大震災(大正12年,1293年)や北伊豆地震(昭和5年,1930)の際も全体の倒壊無く耐えることができたのでしょう。
建設当初は漆喰で覆われていた
現在は煙突部のレンガが剥き出しになっており、上で紹介した鉄骨と合わせたこのデザインの印象が強いですが、できた当初はこの煙突部は漆喰で覆われていました。今とは違い外観は白かったそうです。
使われないようになり、数十年に渡り放置された結果、漆喰は崩落しレンガが見えてしまうようになりました。
これによりレンガの破損・劣化、そしてそこから雨水の侵入により反射炉自体が劣化する可能性も。今後の保存修理により漆喰を塗ることも検討されているそうです。
もしかしたらレンガが剥き出しの韮山反射炉を見れるのも今のうちだけかもしれません。
見学について
韮山反射炉は観光地として整備されています。
反射炉が4炉現存していますし、隣には韮山反射炉ガイダンスセンターがあり韮山反射炉の歴史や概要などの展示を見ることができます。
また、お土産屋やレストランもあり、無料の駐車場も用意されています。お土産屋では地域の特産品などが販売中。
反射炉近くではガイドの方がいるので、無料で説明を受けることができます。このガイドは聞くのがオススメ。ただ見るだけでは分からない反射炉の面白さが分かります。
保存修理の工事が予定されている
韮山反射炉は過去にも数回保存修理が実施されています。最後に実施されたのは昭和60から63年です。
月日が経てば当然劣化します。調査が行われた結果、保存修理の計画が発表されました。
基本設計によると、「オリジナルの材料の維持に最大限配慮しつつ、必要最小限の修復を行うことで、さらなる劣化進行の防止を目的とする」とされています。
つまり、大規模な補修ではなく、劣化した部分の補修・張替えなどが主体。
とはいえ、補修はそれなりの時間をかけて実施されます。基本設計にある年次計画によると次の通り。
工事着手:2020年9月から
工事完了:2021年12月まで
期間中は今よりも景観が悪いことが予想されます。もちろん場合によっては施設の観覧ができない日もあるかもしれません。工事の予定ともども行く前には伊豆の国市のサイトをのチェックすることをオススメします。
韮山反射炉の概要とアクセス方法
名称 | 韮山反射炉 |
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住所 | 静岡県伊豆の国市中268 |
観覧料 | 一般:500円 生徒児童:50円 団体割引あり |
観覧時間 | 4月から9月:午前9時から午後5時まで 10月から3月:午前9時から午後4時半まで |
休み | 毎月第3水曜日(祝日の場合はその翌日) 8,10,11,2,3月の第3水曜日は開館 |
※観覧時間や休みについては伊豆の国市のサイトで確認してください。
【アクセス方法】
・車の場合
東名高速道路または新東名高速道路「沼津IC」もしくは「長泉沼津IC」、伊豆縦貫道で「江間IC」
・電車の場合
伊豆箱根鉄道「伊豆長岡駅」から徒歩30分