オリコンのシングルCD売上ランキングといえば、「いま1番売れている音楽」が分かるランキングでした。
1番売れているとは、CDが売れているという意味でもそうですが、人気があり誰もが知っているそのときを反映する音楽ともいえます。
ですが最近はそうもいかなくなっているようです。
音楽はCDだけではなくレンタルCDやダウンロード配信が主流となり、CDを聞くというよりも音楽データを聞くような時代になっているからです。
以前から言われていることですが、シングルCDの販売数ランキングは昔のような存在ではなくなってしまいました。
このことを2016年の年間ランキングを見て再認識し寂しく思っています。
2016年の年間CD売上げランキングについて
オリコンの年間売上げランキングは見ましたか?
下の一覧が2016年のオリコン年間CDシングルランキング(1位から10位まで)です。
順位 曲名 歌手 推定累積売上数 1 翼はいらない AKB48 1,519,387 2 君はメロディー AKB48 1,294,962 3 LOVE TRIP/しあわせを分けなさい AKB48 1,213,660 4 ハイテンション AKB48 1,202,533 5 サヨナラの意味 乃木坂46 910,811 6 裸足でSummer 乃木坂46 851,229 7 I seek/Daylight 嵐 828,533 8 ハルジオンが咲く頃 乃木坂46 828,315 9 復活LOVE 嵐 541,121 10 Power of the Paradise 嵐 471,619 引用元:【2016年 年間音楽&映像ランキング】嵐が前人未到の記録達成!AKB48がシングル年間V7!! | ORICON STYLE
1位から10位までを見て、このうち何曲知っていました?
私は1曲も知りません。もしかしたら聞いたことくらいはあるかもしれませんが、曲名を見て分かるような曲はありません。
このランキングのスゴイところは1位から10位がすべてアイドルだということです。しかも、AKB48と乃木坂46と嵐の3グループで埋め尽くされています。
さらにいえば、27位にHi-STANDARDが出てくるまで、1位から26位まですべて48系、46系、ジャニーズ系のアイドルです。
昨年末、あれだけ人気があった星野源の恋ですら32位。
レコード大賞を受賞した西野カナは50位にも入っていません。
CDじゃなくてCD付き握手券だろという批判も
この傾向は数年前から続いているのは知っていましたが、今年のランキングを見てやはり驚きました。
AKBなどのアイドルについては、「CD付き握手券」を売っているだけという批判も以前から言われています。
これは確かにAKBなどのアイドルのCD販売数が多いことの理由にはなりますし、私も以前から批判的に感じていました。
ですが、このランキングを見てそれ以上に思ったのは、他の曲が売れてなさ過ぎるということです。
CDが売れない時代、なんてことは以前から聞いていましたがここまでかと。
やはり、CDを買うことに価値を感じていない人が多いんでしょう。
確かに私もCDを直接聞くことはなく、レンタルCDを借りて、iPodだとかスマホで聞いていることが多いです。同じような人が増えている結果ななのでしょう。
聞き方が変われば、買い方も変わってきますよね。
レンタルCDだけでなく、いまではダウンロード配信も当たり前になってきています。
そりゃ、CDを買う人も減りますよ。
握手券がどうだとかはもう既に別次元の話ですね。
レンタルやダウンロード配信のランキングを見てみましょう
ではCDの販売数ランキングではなく、レンタルやダウンロード配信のランキングはどうだったのでしょうか。
まずはTSUTAYAのレンタルシングルCDです。
(集計期間:2016年1月1日~2016年10月31日)
順位 曲名 歌手 1 恋 星野源 2 Hero 安室奈美恵 3 I seek/Daylight 嵐 4 トリセツ 西野カナ 5 復活 LOVE 嵐
続いてレコチョク(ダウンロード配信)の年間ランキングです。
順位 曲名 歌手 1 海の声 浦島太郎(桐谷健太) 2 365日の紙飛行機 AKB48 3 前前前世 (movie ver.) RADWIMPS 4 PERFECT HUMAN RADIO FISH 5 クリスマスソング back number
かなり顔ぶれが変わりました。
個人的にはこちらのランキングの方が2016年を表しているように思います。
人気ドラマの主題歌や大ヒット映画の主題歌、人気CMの歌が上位にきているので、聞いたことがある曲も多いです。
いま売れている音楽を表す新しいランキングを!
こうして見ると、CDを買うというのは特別な行為になったように感じます。CDを買うのはファンだけというような。
それに対し、ダウンロード配信は流行りのものが人気を集めている印象です。ファンではなくても、気になった曲をダウンロードするというような手軽さがあります。
CDの販売数が多いことはスゴイことだとは思いますが、昔のように「そのときを代表する曲」が「CD販売数が多い」ということにはならなくなってしまいました。
となると、CD販売数のランキングには需要は少ないのではないでしょうか。
別にファンが多い人を知りたいのではなく、いま人気の曲が知りたいという人が多いはずだからです。
世間の人気に疎い私としては、昔のCD販売数ランキングのような「いま人気のある曲」ランキングが新しく登場してくれることを期待しています。